保存水

災害用備蓄水の必要性について

災害時、最も重要となるのは「水」です。地震や台風、豪雨などの自然災害が発生した場合、ライフラインが途絶えることがあります。水道、電気、ガスといったインフラが停止すると、日常生活に欠かせない「飲み水」の確保が非常に困難になります。そのため、事前に十分な量の災害用備蓄水を用意することが、命を守る最も基本的で重要な対策です。ここでは、災害用備蓄水の必要性についてご説明します。

1. 災害時に必要な水の量
公的機関（内閣府や日本赤十字社）の災害備蓄ガイドラインによると、大人一人が1日に必要な水の量は約3リットルとされています。この3リットルは、次の内訳で考えられています。
• 飲料水：1～1.5リットル
• 日常生活でも人間は約2.5リットルの水分が必要とされていますが、そのうち約1.5リットルは飲み水として摂取します。災害時もこの量が必要とされます。
• 調理や衛生用：1.5～2リットル
• 調理や簡単な洗浄、手洗いなどにも水は欠かせません。特に災害時は感染症のリスクが高まるため、衛生管理が重要です。このため、飲料水に加えて日常の衛生を保つための水も必要です。
2. 備蓄期間の目安
内閣府は、少なくとも3日分、可能であれば1週間分の水の備蓄を推奨しています。災害後、すぐに支援物資が届くとは限らず、ライフラインの復旧にも時間がかかる可能性があるためです。1人あたり3日分として9リットル（3リットル×3日）、1週間分なら21リットル（3リットル×7日）が必要です。例えば、家族4人の場合は最低でも36リットル、できれば84リットルの水を用意しておくことが理想です。
3. 水の備蓄方法と保管場所
災害用備蓄水は、通常のペットボトル飲料水や専用の備蓄水が推奨されます。備蓄用の水は、長期保存が可能な製品が多く、一般的には5年程度の保存期間を持つものが主流です。水の保管場所は、地震や浸水のリスクを考慮して、安全な場所に分散しておくことが重要です。特に玄関近くや寝室、車内などに分けて保管することで、いざという時に取り出しやすくなります。
4. ペットボトル飲料水と専用備蓄水の違い
一般のペットボトル水と災害用の備蓄水の違いは主に保存期間です。通常のペットボトル飲料水は約1年が賞味期限ですが、備蓄水は特殊な加工や密封技術を使い、5年から10年の保存が可能です。これは、長期的な備蓄を前提に開発されており、定期的に入れ替えが必要な通常の飲料水と比べ、管理の手間が少ないため、災害時に備えるには最適です。
5. 災害時に水が必要な理由
災害時に水が不可欠な理由は、次の点に集約されます。
• 生命維持：人間は水がなければ数日しか生きられません。特に飲料水の確保は最優先事項です。
• 健康維持：十分な水がないと、脱水症状や熱中症など命に関わる症状が発生します。加えて、適切な衛生管理が行えない場合、感染症のリスクが高まります。
• 生活維持：調理や簡単な洗浄、トイレの使用など、日常の最低限の生活を維持するために水が必要です。
• まとめ
災害時における備蓄水の確保は、命を守るための最も基本的な準備です。1日1人あたり3リットル、最低3日分（9リットル）、可能なら**1週間分（21リットル）**の備蓄を目指しましょう。また、長期保存が可能な専用の備蓄水を用意し、適切な場所に分散して保管することで、いざという時にすぐに使えるように備えることが大切です。